01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
昨日の記事「#6371. 少なく見積もって80通りの綴字 --- borough」 ([2026-10-06-1]) の記事と関連して,8月にイギリスの Peterborough をドライブで訪れたときのエピソードを1つ.
ロンドンからスコットランドを目指して北上する途中,英語史上の貴重な資料 The Peterborough Chronicle と結びつけられるイングランド中東部の町 Peterborough に立ち寄った.近づくにつれてハイウェイの道路標識にその町の名前が現われる頻度が増すのだが,地名としては長めの綴字なためか,運転しながらいくつかのヴァリエーションがあることに気付いた.
標準的綴字が定まっている現代における「道路標識の異綴字」の事例を発見し,興奮した.表記スペースに余裕がある場合には正式に Peterborough と綴られていたが,そうでない場合には略式の P'borough や Peterboro' が確認できた.運転していたので,あまり写真は撮れなかったのだが,最後の例について1枚撮ることができた.

2つの省略形は,省略のための戦略が異なる.前者 P'borough は,複合語地名の前半要素 Peter- のイニシャル取りという形態論的な方策に訴えかけている.4文字減らしてアポストロフィを加え,計3.5文字ほどを浮かせていることになる.一方,後者 Peterboro' は,後半要素 -borough の,表音機能としての価値が低いと目される末尾の綴字をそぎ落とすという音韻論的な方策といってよい.3文字減らしてアポストロフィを加え,計2.5文字ほどを浮かせていることになる.
省略効率としては前者が1文字分勝っているが,先に地名を知っていないかぎり P' から Peter- を復元できないという難点がある.一方,後者は,1文字分負けているが,フルの発音を復元できるという利点がある.などと考えているうちに,Peterborough の町に到着したのだった.
イギリス地名 Marlborough に対してアメリカ地名(そしてタバコの商標) Marlboro という点も思い起こされる.
2026 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2025 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2024 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2023 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2022 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2021 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2020 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2019 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2018 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2017 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2016 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2015 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2014 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2013 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2012 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2011 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2010 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2009 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
最終更新時間: 2026-10-07 05:00
Powered by WinChalow1.0rc4 based on chalow