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#6392. 井上逸兵さんの新刊『人を動かす英語力』 --- いのほた最新回より[inohota][youtube][notice][ippeiinoue][ai][helkatsu][sociolinguistics]

2026-10-27



 10月25日(日)に「いのほた言語学チャンネル」の最新回(第429回)「井上逸兵の新刊『人を動かす英語力』の衝撃?」が公開されました.井上逸兵さんの新刊『人を動かす英語力』(Amazon)(講談社現代新書)が,11月19日(木)に発売されます.今回は,その内容を初めてうかがう回となりました.
 動画の冒頭は,私の着ている through Tシャツと,井上ゼミが毎年作っているというゼミTシャツの話題から始まります.前回動画のコメント欄では「いのほたTシャツ」も作ってほしいというコメントをいただいており,2人ともまんざらではありません.
 本題は,井上さんからの問いかけです.「AI時代に英語を学ぶ意味はあるのか」.中高の先生方がとりわけよく尋ねられる問いのようですが,私もたまにこの質問を受けることがあります.私自身は,話し言葉では場の空気を読みながらのやりとりに,書き言葉では句読点1つにまでこだわる精読に,人間が英語を学ぶ意味があると考えています.
 井上さんの新刊は,まさにこの問いを出発点とする本とのことです.出版企画を検討しているうちにあっという間にAIの時代が到来し,結果としてタイムリーな1冊になったといいます.当初は副題に「AI時代に英語を学ぶ意味」と掲げていたものが,最後の検討の段階で外され,本タイトル一本勝負となったそうです.
 キーワードの1つは「不完全さこそ武器になる」.完璧な英語がAIによって世の中にあふれ,いわばインフレ状態になる時代には,間違ってもよいから自分の言葉,自分の声で語るほうが,かえって人の心に響くのではないか.そのような問いかけです.たとえば「責任は私がとる」という言い方が人を動かすこと,英語での声の出し方や間の取り方,そして「話し上手は聞き上手」といった具体的な話題が盛り込まれているとのことです.
 言語学の知識が本書のベースにはなっていますが,前面には出さずに書かれてるといいます.また,英語学習に資する書であると同時に,日本語にも通じるコミュニケーション論,リーダー論としても読める本になりそうです.エピローグ「私の英語遍歴」では,井上さんがご自身の英語との歩みを赤裸々に語っており,私も特にこの部分が気になっています.
 AI時代に言葉を学ぶ意味については,今年2月の朝カル講座でも井上さんと語り合いました(「#6113. 朝カルで井上逸兵さんと「AI時代にこそ必要な「言語学的思考」とは」 --- 「いのほたなぜ」出版記念」 ([2026-01-21-1]) を参照).今回の新刊は,その問いに井上さんが社会言語学者として1冊まるごとで答えた本と言えそうです.私にとっても,井上さんの新刊が待ち遠しい!

 ・ 井上 逸兵 『人を動かす英語力』 講談社〈講談社現代新書〉,2026年.
 ・ 井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.

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